高校生と企業が一緒に“リアルな課題解決”を探究した180日間の記録〜札幌龍谷学園×地元企業の実践レポート〜
2024年9月6日から札幌龍谷学園高等学校でスタートした「企業課題探究プログラム ー飛龍アカデミアー」。昨年度は11社の企業が参加し、生徒と協働した課題解決に取り組んでいます。
このnoteでは職場体験などを通じて企業の課題を実感し、企業の方とともに課題解決に取り組むことで徐々に「仕事」や「課題解決」に興味を持っていく生徒の様子をお届けします!
目次
01.「企業課題探究プログラム ー飛龍アカデミアー」とは?

「企業課題探究プログラム ー飛龍アカデミア〜ーは、札幌龍谷学園高等学校で実施しているリアルな企業の課題解決に取り組む課題解決型キャリア教育(探究学習)プログラムです。
生徒の主体的・対話的な学びと、社会性を身につけることを目的とし、地域社会・企業と連携した取り組みとなっています。
実際に企業が参画し、現状の課題に基づいた「課題テーマ」を生徒に提示します。生徒たちはグループでの情報収集、職場体験を通して具体的な解決策を考え、企業へ提案し、採択されることを目指します。
この探究のプロセスから、「課題解決に必要なスキル」や、「自分の長所を活かしたスキル」を身につけることができます。
昨年度の参画企業
・株式会社インセンブル様
・株式会社エゾシカ旅行社様
・株式会社オガワヤ様
・合同会社OFFICE Waon輪音様
・株式会社cocole様
・嵯峨秀栄測量設計株式会社 様
・株式会社創電社様
・ツナグ社会保険労務士法人 様
・株式会社Domino Plus inc.様
・株式会社ブルーブロッサム 様
・北海道医療大学様
企業の参画理由は大きく分けて2つです。
1つ目は、「教育に貢献したい」という理由です。多くの企業が高校生にリアルな課題を提示し、それを通じて高校生に学びの機会を提供することを目的としています。
2つ目は、高校生の柔軟な発想や視点を取り入れることを目的としています。具体的には、高校生の自由な発想で課題を解決してほしい、サービスに対する高校生のリアルな声を直接聞きたい、といった期待が挙げられます。
02.キックオフ!〜課題テーマプレゼン〜
9月6日に行われたキックオフでは、企業が3分間の「課題テーマ」プレゼンリレーを実施しました。各企業は「あなたたちと一緒に課題解決に取り組みたい!」という熱意を本気で伝え、生徒たちは興味を抱くテーマを見つけます。中には、自分の趣味や好きなことに関連するテーマを選ぶ生徒もいれば、企業の想いや熱意あふれる伝え方に心を動かされ、これまで興味がなかった分野に挑戦する生徒もいました。
プレゼンリレー後に行う希望調査の結果をもとにグループが形成され、そのグループで生徒たちは企業と共に課題解決に向けた活動を進めていくことになります。
[生徒の希望理由]
・子ども好きの私にとってプレゼンを聞いている中で思いきり心を揺さぶられ、思わず前のめりになってお話を聞いてしまったのがこのドミノプラスさんであったから。
・自分も札幌の観光名所のインパクトが弱いと思うことがある。だが、札幌以外の地域での暮らしの経験が多数あるので、他の人が気づかないような札幌の魅力を発信できると思ったから。
・実際に今、札幌に住んでいても札幌の魅力や観光地を詳しく言えないため、知識を増やし、さらに他の人にその魅力を広めたいと思ったから。
03.企業と生徒の距離が近づく!〜課題特定ヒアリング〜
企業プレゼン約1ヶ月後の10月4日、生徒たちはグループでのアイスブレイクやチームビルディングを終え、具体的な解決策を考えるための第一歩として企業への「課題特定ヒアリング」を行います。
このヒアリングでは、企業が3分間のプレゼンで伝えきれなかった課題の詳細や背景を改めて共有し、生徒からの質問に答えることで生徒と企業の間の認識をすり合わせます。また、企業の方とのコミュニケーションを通じて距離を縮め、親しみやすい関係を築くことで、生徒が課題に対するイメージをより具体的に膨らませることが目的です。

04.現場を見て課題を実感!〜職場体験に行こう〜
企企業の課題を深く理解し、よりよい解決策を提案するために職場体験を行いました。事前に企業と学校で日程を調整し、それぞれの企業で見学や体験を行います。内容は各企業が設定します。
例えば、DominoPlus(課題テーマ:「誰もが活躍できるフリースクールとは?」)さんを訪問したグループは、通学生とボードゲームで一緒に遊んだり、保護者の方に質問をしたり…。通学生が安心して過ごせるよう工夫された環境を見て、「どんな仕組みやサポートがあると、より多くの生徒がここで安心して学べるのか」を考えていました。
職場体験を通じて、生徒は単に企業や施設の課題を「知る」だけでなく「感じる」ことができたようでした。

05.企業へ解決策を提案!〜解決策プレゼン①〜
プログラム開始から約2ヶ月後の11月1日、一回目の解決策プレゼンを行いました。この日の目標は「具体的で質の高いアイデア」を提案することではなく、企業と生徒で「取り組みの方針」や「成果物に対する認識のズレ」がないかを確認することです。
企業の方から考案中のアイデアにフィードバックをいただき、少しずつアイデアを深めていきます。

06.最終提案に向けて試行錯誤!〜フィードバックを受けて再提案〜
一度の提案で終わらず、[提案→フィードバック→改善]と企業の方とともにより良い解決策を考えることができる点がこのプログラムの特徴です。
企業の方からもらったフィードバックをもとに生徒たちは、再度提案を行いました。もらったフィードバックを忠実に取り組むチームや前回とは全く異なる提案をしたチームなど、どのチームも改善してきたプロセスが見えた提案でした。

企業の方からは、
「ここまで考えてくれて、素直にうれしかったです!」
「高校生ならではの視点にハッとさせられました!」
「そのまま実行したいアイデアもあって、社内で共有します!」
6ヶ月わたって生徒と一緒に取り組むプログラム。企業にとっても学びの多い、生徒からの提案だったことが伺えます。
ご参加いただいた企業の皆様ありがとうございました!
07.募集中!プログラムに興味がある企業の皆様へ
来年度、私たちはこの取り組みをさらに広げ、より多くの高校・企業とともに“社会を変える探究”を実現していきます。
参画企業を現在募集中です。ご関心のある方は、以下よりお問い合わせください。
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